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解体再開発プロジェクトへの一つの考察

by Love in Qushu

九州発のアイドルグループ・LinQの、一連の解体・再開発プロジェクトについて、一個人としての考察をここに記します。

私は2014年1月からLinQにハマリ、「LinQという答え」という連載をブログで書いてきたり、仕事でお手伝いさせていただいたり、東京在住ながら3年にわたって追いかけてきました。今回の解体再開発プロジェクトについても、様々な方にお話を伺うことができました。

ここに記載する内容はそれらを踏まえた上での、あくまでも一個人としての考察、です。私は別に運営サイドでもないですし、従来通りあくまで第三者の立場です。ただ、メンバーの味方ではいたいと思っています。

まず、解体再開発プロジェクトについて書きます。

「解体」&「再開発」なのか「解体」or「再開発」なのか

まず、今回の解体・再開発について賛成かどうか聞かれたら、私は賛成です。

これについては解体・再開発という言葉のどちらに目を向けるか、によって大きく変わってくるのではと思います。つまり解体に目を向けるのか、再開発に目を向けるのか、ということです。

この件はこの一言に尽きると思います。
「今のLinQがこのままでいいのか。」

まずお聞きします。あなたはどう思いますか?


もちろん肯定も否定もあると思います。ただ、肯定でも「ここは変えるべきだ」という考えは何らかしらお持ちでは、と思います。

今回のプロジェクトの肝はここにあると私は思います。つまり、何かを変えなければならない。ではなぜこのタイミングで、変えなきゃならなくなったのでしょうか。

マリンメッセ未達成からの6年目という壁

いろんな物事には節目というのがあります。たいていは、1年目、3年目、5年目…というところではないでしょうか。

ところが、節目は5年目の次は10年目になると個人的には思います。まず1年やってみよう、次は3年やってみよう、次は5年やってみよう…。その次が、10年までない。個人的にはそう思います。なので、6年目に突入したLinQがどうなるのか(メンバー含めLinQに関わる人たちの気持ち的に)、というのは個人的に注目してました。他のアイドルグループを見ても6年目に突入するグループというのはあまりないわけで、いわば未知の領域というか、身近にあまりお手本がなくなってくるわけです。

それが、右肩上がりの最中であればまだよいのですが、とはいえ5年もやり続けていれば今までも絶対落ちる時期はあったわけで。それを乗り越えたからこそ6年目に突入しているわけですが、LinQに関していえばお世辞にも右肩上がり、とは言えない状況になってました。

私がハマった2014年、ベストホールの動員数はもう少し多かったんですね。最低でも100番は超えていた印象です。それが、2016年は出演メンバー関係なく明らかに落ち込んでいました。という集客状況がまず一つ。

そして、公演回数を重ねてくれば、今までは1/50だったのが1/200になる、つまり一公演あたりの濃度がどうしても薄くなってくる。要はマンネリ化です。これは皆さんにも仕事だったり、どなたにでも経験があるのではと思います。

「私は何のためにステージに立っているのだろう」
という思いがメンバーにも生まれていたのではないでしょうか。

・自分は何を目指してここに立っているのか、という自分の存在価値
・LinQは何を目指すために活動しているのか、というグループの存在価値
これらが6年目のLinQには噴出するようになったのではと思います。

「何のために活動するのか」

会社では一種の事業方針として示されるものです。この方針の元に社員は気持ちを新たにできるというか、「私はこのために働いているんだ」というモチベーションにつながります。ではLinQにおいてはそれは何か(「九州の魅力をアピール」というのは経営理念に該当します)。

LinQにおいてそれは「5周年でのマリンメッセ」でした。

これが発表された3周年ライブは私は見ていませんし、LinQにハマリ始めたところだったのでこれが当時どんな意味を持っていたのか、というのは理解していませんが、当時の事業環境を考えれば、「ぶち上げる」のにはよい目標だったのではと思います。

おそらく、ですが、ちょうど3周年でのLinQはなだらかな下降を描き始めていたと思います。2013年4月のメジャーデビュー、そして8月の「HANABI!!」リリース…ちょうどTIFの時期でアイドルグループ市場が盛り上がるときにこの曲が武器になって、上昇していったと思われます。

その勢いを維持できなかったのが「カラフルデイズ」の頃。細かい背景は存じませんが、「あれ?」(つまり、勢いを維持できてない)と感じたメンバーは、これまでお話を伺う中で多かった印象です。

そんな中で迎えた3周年ライブで、気持ちをぶち上げるために「マリンメッセ」というのが掲げられたのではと思います。途方もない目標ではなく頑張ればもしかしたら実現できるかも、という意味でぶち上げるのには適していた目標だったと思います。

それまでのLinQは「デビュー」「メジャーデビュー」という大きな目標があったと思われます。その次の明確な目標として掲げる必要はあったのではと思います。それが、先に述べた「何のために活動するのか」の一つの回答なわけです。

しかもマリンメッセは会場ですからキャパシティから逆算ができる。つまり明確な数値目標があったわけです。会社で言えば「業績を拡大する」という漠然とした目標ではなく「売上一億円達成」という明確な数値目標です。

マリンメッセのキャパシティである15,000人を埋めるためにはどこからファンを何名連れてくればいいのか、等、ある程度の逆算ができますし、そのためにはベストホールの定期公演を何名にしなければ、等々、日々の活動の指標ともなり、メンバーの気持ちのハリも出てきたのではと思います。

ただ。結果的に5年目でのマリンメッセという目標はとてつもなく大きくなってしまいました。デビュー→メジャーデビューという上昇気流の中では実現可能な目標になっていたと思いますが、LinQはアイドルブームという上昇気流には乗れていたけれど、その上昇気流は思いの外長続きしなかった、ピークを迎えるのは早かった、というのが個人的な印象です。
※個人的には横浜アリーナをやって解散したBiSは絶妙のタイミングだったと思います。

ある意味、福岡市民会館というのは業績目標の下方修正です。会社であれば経営者の責任が問われる事態です。

意思疎通がやっと図れた全体ミーティング

マリンメッセが現時点で実現不可能となった今、LinQは今後も活動を続けていく中で何らかの新たなアドバルーンが必要だったわけです。アドバルーンという意味では解体再開発よりも福岡市民会館と中野サンプラザの成功が該当します。

これが、福岡市民会館と中野サンプラザをもってLinQは解散します、だったら全く話は別です。LinQが終了するわけですから。

ですが、この両公演が成功すれば、新たなプロジェクト(IQプロジェクト)がスタートする。そのプロジェクト自体への賛否はメンバー個々にはあるでしょうが、ただ、「このままやっていてもいつかはダメになる」ということは共通認識として存在していたと思います。

その「いつかはダメになる」というのが、活動の存続自体もそうですが、メンバー個々の気持ちがまとまっていない(からいつかはダメになる)、という部分もあったと思います。ものすごく悪い言い方をすればダラダラやっていた。これはLinQに関わる外部のスタッフの方がおっしゃっていたのですが、「そこそこ仕事があるからそこで小満足している」と。目の前の仕事をただこなしていた状況だったのではないでしょうか。

もちろん、このままじゃダメだ、とは思っていたと思います。ところがなかなかそれをみんなの前で意思共有する場がなかった。そこに大きな問題点があったのではと思います。

私自身の経験なのですが、本人としては「伝わっている」と思っていても実は伝わっていないということは多々あります。メールで済ませた、会話の中でそれを伝えた、と思っていても、実はそれは伝わっていなかったりします。本人を呼び出して個別に時間を取って顔をつきあわせて説明する。それでようやく伝わった、ということは私自身多々ありました。

それが大人数になればなおさら難しいと思います。LINEグループでの共有は、文字の共有にはなっても気持ちの共有にはつながっていない。そういうことだと思います。

特にLinQは東京をはじめ全国での活動の多いグループ。全員で舞台に立つ、というのは、せいぜい周年ライブ、夏祭り、そして年末大感謝祭(二チームに分かれるので厳密には全員では立っていないといえますが)くらいです。

全員の気持ちを揃えるのが難しい。これは大人数のアイドルグループの宿命です(というより会社もそうです、つまり組織そのものがそうです)。これだけ大人数のアイドルグループってあまりいないんですよね。
しかもLinQは「妖怪ウォッチ」で完全にそのチームのメンバーがいわば独自の活動をしていたため、夏以降はチームとチーム以外のメンバーとの意思疎通がなかなか行えないという状況に陥っていました。

その意思疎通がやっと図れたのが、あの解体再開発動画で流れているミーティングなのです。それぞれが溜めていたものを吐き出せた場、だったのです。

あれは何もグチを言い合う場、ではなかったのです。前に進むために、今私たちは何が必要か、というのを議論した場だったのです。グチを言い合う場だったら文句の言い合いになりますが、あのミーティングは建設的な意見を出し合った場だった、ということは強調しておきたいです。

吐き出した先に見えるもの

私のいた会社では年に二回、上司との面接がありました。期初に立てた業務目標の達成度の共有(それがそのまま給与に直結します)、というのが主目的でしたが、普段言えないことを言い合う場でもありました。今この会社にはこれが足りない、これが見えない、と意見を出し、上からはこのためにはこういうことをしてほしい、等々、気持ちを新たに業務に取り組むための場でした。もちろんその中で異動希望を伝えることもありました。

解体再開発動画で、あさみさんとの個別面談が行われていましたが、あのような面談は普段、定期的には行われていないのではと思います。むしろ今回のプロジェクトで初めて行ったものだったのではないでしょうか。

あの場も結局は前に向かって進むための建設的な意見を言う場だったと思います。その編集内容が、メンバー批判に捉えられる部分もありますが、別に特定のメンバーを批判したのではなく、そういう状況を生み出している現状への批判であり、そしてそれは改善のための批判というか、課題の洗い出しだったと思います。

「あの子があんなことを言っていた」ではないんです。
「LinQをもっとよくするためには、ああいうことを言うメンバーがいる状況を変えなきゃダメ」ということなんです。あさみさんは運営サイドの人間なのですが、それを改善できる側の人間です。簡単に言えば会社でいうところの上層部です。

誰だって上層部に「この会社をよくするにはこういうことを変えなきゃダメです」みたいなことを言ったことはあると思います。

メンバーは別にグチをこぼしていたのではなく、グループの現状の改善策を話していただけだと私は思います。もっと言えばメンバーからああいうことを言われてしまう状況を作り出していた運営サイドの問題です。

当然メンバーだって運営サイドへの不満はあったと思います。それを吐き出せる場をやっと設けてもらった、ということではないでしょうか。そしてそれを受けてあさみさんがやったのが、メンバー個々への役割分担。「何のために活動するのか」という一つの答えを与えたわけです。

一連の動画がファンの方に不評なのは、動画では運営サイドの責任が何ら問われていないということだと思います。解体再開発をするような事態になったのは運営サイドの責任です。一種の経営責任ですね。

ただ、経営責任だからこそ解体再開発という改善策を打っているという部分もあります。その内容の賛否はありますが。そして、メンバーの意見を吸い上げていなかったという問題も今回個人面談という形で改善策を実施しています。はっきり言って遅かったですけれど。

ただ、とはいえ何で今までやってなかったのか、とか過去のことを言ってもしかたないですし。そこは反省した上で今、どうやって改善していくべきか、ということを考えるべきだと思っています。個人面談を実施して役割分担をしておしまい、ではなく、これからも手を打ち続けていく。

ただ、こういうものって一度吐き出さないと生まれない気がします。建設的な意見を出すためには今、現時点での不満なり思いを吐き出し、ぶちまけることが必要。吐き出して、すっきりして初めて建設的な意見が出てくると思います。それがあの一連の動画の最初の方だったと思います。

自分から動かないと進まない組織形態

個人的には、LinQは積極的に手を挙げた人に対してはそれなりに報いる、という印象です。何もしない人には何もしない。方針なども一通り説明はするけれど、詳しく聞きたかったら直接聞いて、そんな感じです。
一人一人に向き合うわけではない。そんな印象です。私も会社ではそうだったので、その姿勢は個人的にはわかる部分があります。「こんな仕事もしたい」とか「こんな風にしてみました」と自発的な人はそれ相当に報いてきました。

芸能界もそんな世界です。私は過去、タレントさんの囲み取材とかも経験してきましたけれど、当たり前ですけれど質問なんて記者全員に振られることはないです。むしろ強引に割って入るくらいでないとダメ。何もしなければ何もできないまま終わってしまう世界です。

大人はそれでいいんです。でも、LinQのメンバーは子供もいるのですから、つまり全員が全員そういうことができるわけではないので、そこに対してはある程度降りてくることも必要なのではと思います。意思疎通があまり図れていなかったというのはそういうところも関係があるのではと思います。

ただ、解体再開発は何もメンバーだけでなく運営サイドも、ということになっていますし、そのあたりは今後改善されてくればいいなとは思います。

一つ思うことがあります。あくまで私個人の考えとしてお聞き下さい。

それは、選抜は優遇ではない、ということです。確かに積極的に手を挙げるメンバーが優遇されるという状況はあると思います。でもその優遇はその積極性に対しての評価に過ぎない、と私は思います。LinQにおいては比較的チャンスは公平に与えられていると思います。

そしてまた、選ばれるメンバーはそれなりのことをしてきている、というのも事実だと思います。努力はみんなしています。それにどれだけプラスをするか。その意識の差は多少なりとも影響していると思います。何もしなくても選ばれる、なんて考えているメンバーはいません。

私には推しがいますが、その人を推すようになったのはきっかけこそ容姿でしたが、物販で言われたある一言が大きな理由です。今まで他のアイドルグループからも言われたことのない言葉を言われて、それに感銘を受けたというか。そういうプラスアルファや努力をしているからこそその推しは選ばれている部分もあると私は思います。

ただ、そこに公開オーディションなり、ある程度の明確な指標というのは示されるべきなのではとは思います。それがないことが優遇という疑念を生む可能性はあったわけです。

個人的な話をすると、私は昇格という点でどんどん後輩に抜かれていきました。なぜそうなるのか、ということについて上から明確な回答は得られませんでしたが、一方で、昇格すればマネジメントの仕事が増え、いわゆる現場としての活動ができなくなると考えたときに、その方が向いているという上の判断もあったのかなとは思いました。

評価基準という点では、「妖怪ウォッチ」のように、ある程度の世界観が求められるところだと、今までとは違う評価基準が生まれてくると思います。野球で言えば監督が替われば長打力より守備力を求めるようになったりしますが、それと同じだと思います。ただ、その方針転換がうまくいくかどうか、身の丈に合っているのか、それをこなせるだけの選手がいるのか、は、運営サイドがきちんと見るべきところだと思います。サッカーだと方針転換によってチームがガタガタになって降格、というのはよくあることですので。

解体再開発をする必要が出てきたのは運営サイドの経営責任です。会社で言えば株主総会なりで説明する必要があります。サッカーで言えばチームが低迷するとサポーター向けに説明会が行われることもあります。音楽でそのような場というのが設けられるというのはあまり聞いたことはないですが、今回のプロジェクトの意図に関する運営サイドの説明が不足しているのは事実です。今まで同じことをしていたら今回のプロジェクトだって同じことになります。

ただ、そこは、わかっていると個人的には思います。今回のプロジェクトを成功させることが責任を果たすことになれば、いわばV字回復ができればよいのですが。

現状、ファンはプロジェクトの進捗についてはよりシビアに指摘している状況になっていると思います。今後のLinQの、そして何よりメンバーの将来がかかっているわけです。今までいろいろなミスがあったとしても、ここで同じミスを繰り返すわけにはいかないんです。そんな思いがファンの方にはあると思っています。それに対して聞く耳持たない、という状態ではないと私は思います(聞く耳持たない状態だったら私こんなブログ書いてません)。

何のための解体再開発か

今、渋谷駅は再開発のまっただ中です。オフィスビルの建築だけでなく、現在離れている埼京線・湘南新宿ラインのホームを山手線の隣の東急東横線ホーム跡に移動するなど、より利便性を高めようとしています。
そう、それは、みんなを幸せにするためのプロジェクト、なのです。

福岡・天神も現在「天神ビッグバン」と呼ばれる再開発のまっただ中です。空港が近くにあるため高層ビルが建てられず、なかなか企業を誘致できない(そりゃ、新しくきれいなビルの方がいいですから)という課題がありました。それを、特区制度をいかして課題を解決したり、天神一帯を再開発しようという動きが始まっています。
http://www.city.fukuoka.lg.jp/soki/kikaku/shisei/20150226.html

この1月にはその第一弾となる「天神ビジネスセンタープロジェクト」がスタートしています。これはまさにベストホールのすぐ裏側です。

再開発というのは、積年の課題を解決するために行われるものです。

この後、次のブログにてIQプロジェクトへの考察を記します。


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