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桃咲まゆが課すハードル

by Love in Qushu

2014年1月の「カラフルデイズ」のサンシャイン噴水広場のリリイベでLinQに興味を持って、初めてベストホールに行ったのがその年の8月。思えばそれをきっかけに「ご当地アイドルとしてのLinQ」に興味を持った、地域振興という役割を担うアイドルグループとしてのLinQ、に興味を持ったわけだが、

思えばこのときに何より「地域に根ざす」ということの大きさ、意義というものを気づかせてくれたのが、今にして思えば桃咲まゆ、だった。

8月に初めて訪れたベストホール。そこではいろんなことを感じたわけだが、

このとき印象に残ったことの一つが、「No Lady No Life」でのももまゆちゃんのパフォーマンス、だった。サビのところで髪を振り乱して踊る彼女を見て、そこでLinQの奥深さを教わった気がした。簡単に言えばパフォーマーとしてのLinQ、というところだろうか。ベストホールの照明演出も相まって、東京で見てきたLinQとは全く違う世界がここにはある、ということを思い知らされた。

そして。この最初のベストホール遠征では月曜も休みにしたのだが、このとき行ったのが佐賀だった。思えば、サッカー好きとしてベアスタを見ておきたい、という思いもあったが(試合はなかったけどね)、

このバスを見に行くのも目的だった。

ご当地アイドルが、地元の企業にCMで出演して、しかもラッピングバスまで走っている…

私にとって佐賀は縁もゆかりもない場所だったが、思えば初めて足を踏み入れたのがこのときだった。そういえば佐賀駅に着いて近くにガージュがないか(この頃は等身大パネルが設置されていた)をすぐに調べたし、遠いと知るとこのラッピングバスが来るまで一時間くらいバスターミナルで待っていたっけ。

LinQを知ることで九州を知ることができる。ご当地グルメやご当地キャラとはまた違う、ご当地アイドルの存在意義、ということを教わったのはこのときだったかもしれない。東京の人にとって佐賀というのはあまり縁がない。だからこそ、ももまゆちゃんの果たす役割の大きさを知った。

そんな思いもあったのか、2015年、2016年とGWにベアスタで行われたガージュの冠スポンサー試合も見に行ったし(元々鳥栖には興味があったし実際見て好きになった。特にフィッカデンティはチェゼーナ時代に現地で見たのでなおさらだ)、そこで活躍する彼女の姿は、佐賀のPRに貢献するというご当地アイドルの一種の理想像を目の当たりにできた。

思えば。LinQはLove in 九州の略ながら、はっきり言って実態はLove in 福岡といってもよかった。でも、それをくいとどめていたのが彼女だったのではとも思う。もしかしたら、佐賀という看板だけでなく、LinQがLinQ(Love in 九州)として成立するために背負っていたのも彼女だったのかもしれない。サガン鳥栖は元々知っていたけれどガージュを知ったのも、そしてバルーンフェスタというイベントが佐賀であることも、彼女の活動から学んだことだ。

佐賀をもっと多くの人に知って欲しい。
私はそのために頑張る。

たぶんだけれど、LinQとして全国で活動するにつれ、佐賀を知っている人が少ないことを知り、自分が少しでも役に立ちたい。それが思えば桃咲まゆとしての根本というか、根っこにあるものなのかもしれない。
※ちょっと話がそれるけれど、サガン鳥栖が試合前に歌うチャントがGreen Dayの「マイノリティ」なのはツボだ。メジャーを目指すのではなくマイノリティであることを誇りに思っている彼らは本当にいいなと思った。LinQだって…


正直に言えば私は彼女がLadyメンバーだったのが不思議だった。私がLinQに興味を持った時点で彼女は既にLadyメンバーだった。でも童顔だし、まだまだQtyでやれるのに…と思ったのだが、なんでLadyになっていたのか、少し後になってわかった。

それは、彼女の表現する世界が独特だということ。LinQの曲が、桃咲まゆというフィルターを通すと、それが全て桃咲まゆの色になる。そんな印象だった。「No Lady No Life」のサビでの彼女のパフォーマンスはいつ見てもすごいし、「ハレハレ☆パレード」の落ちサビでの斜め立ちも彼女ならでは、だ。

基本的に彼女はまさに「まゆ」というか、包まれているというか、守られたいといういわばか弱い女の子、なんだけれど、それを一気に脱ぎ捨てて、いわば脱皮して「どーん」とするときがある。それが何よりアーティスト・桃咲まゆの真骨頂なのだと思う。

※そんな彼女の魅力を思いっきり引き出した「HYBRIDOLL」という曲を書いたeichiさんは本当にすごいと思う。あの「ダメです」の手の動かし方がまさに彼女ならでは、だと思う。そしてもうこの曲も見られなくなる。


さて。
人には楽天的志向か悲観的志向か、にある程度二分される。彼女は間違いなく後者だ。「私はこれができない」「これがダメ」。自分の弱点を冷静に見極められるタイプだ。加点法ではなく減点法だ。

私は去年初めて彼女の生誕公演を見たけれど、そこでびっくりしたのは、自分に対する言葉の厳しさ、だった。

前回の生誕公演から一年。私はこれができなかった、努力が足りなかった…まるで株主総会だった。でも、生誕公演という、ファンの人の前で何かを語れる場をそれだけ彼女は大事にしていて、だからこそそこで成長の過程をしっかり見せたいし、ダメなところはきちんと反省したい。そんな意志の強さが何より伝わってきた。

彼女は自分に厳しい。だからこそ、減点法になるというか。ではなんでそうなるかというと、掲げているものが高いからだと思う。「もっと大きくならなければ」「まだまだこれではダメだ」

それが何か、はわからないけれど、たぶん、彼女が目指しているのはとてもシンプルなことで、
「私が生まれ育った佐賀をもっと多くの人に知ってもらいたい」


今回彼女はLinQを卒業することになった。
なんとなく、だけれどあの再開発動画の、あの先生のオーディションでつけられた点数の表情で、


いや、なんでもない。

彼女はさらにハードルを上げたんだろう。LinQという肩書きを捨てて、桃咲まゆ一人で佐賀を広めるということに。


Love in Qushu
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