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岸田麻佑の気風

by Love in Qushu

「この影アナ、誰だと思います?」
たぶん3年前の12月のベストホールだったと思う。そのときは三回目のベストホール遠征だったのだが、開演前にアナウンスが流れているときにふいにある方からそう尋ねられた。

大人びてはいるけれどどこか甘い声。わからないです、というとその人(私をLinQに引っ張り込んでくれたファンの人だ)は「実はきしまゆちゃんなんですよ。びっくりするでしょ」と教えてくれた。

九州に全く縁のなかった私にとって、LinQとの出会いは九州との出会いそのものだった。アプガをきっかけにアイドルを追いかけるようになったが、LinQとの出会いは、当初は着席型のアイドルグループ、にすぎなかった(いや、それでも十分大きなことなのだが)。

それが、ベストホールに足を運ぶにつれて、福岡の街との出会い、に変わっていった。ご当地アイドルグループは、つまりその街で生まれ、暮らす女の子たちとの出会いであり、そしてファンと出会うということはこれまた福岡で生きる人たちとの出会い、だった。当時のLinQ(いや、今もそうだけれど)は仕事の都合などで東京にはあまり来ないで福岡中心の活動のメンバーも多かったし、ベストホールに行かないと会えないメンバーも多かった。

ただ逆に言えば、福岡でしか見られないLinQ、というのは私にとっては新鮮だったし、「ああ、LinQは福岡で見てこそLinQだな」と思うようになったから、福岡に頻繁に足を運ぶようになった。そして、そこで会うメンバーに、福岡の女(人)というのを何より感じるようになった。

きしまゆちゃんが最初に印象に残ったのは、2015年のゴールデンウイーク公演だった。私は何より「GARNET」が好きなのだが、サビで体を横に向けて「走れ~」のときの両腕の上げ方と下げ方のしなやかさがツボだった。そのよさを伝えようと結果的に鍵開けした(真っ先に並んだ)のでよく覚えている。

基本的にはLadyメンバーとして、かっこよさが全面に出ていたメンバーだったし、なっちゃんと並ぶとその迫力ある力強いダンスに圧倒されたし、というパフォーマンスばかりに目が行っていたけれど、それが変わったのは、5周年のパンフレットの取材、だった。

このときは取材内容を記事にするつもりはなかったけれど、あまりの内容のよさに、何人か記事にした。別にそれは誰を記事にしよう、とかは決めていなくて、純粋にこれは記事にしたい、パンフにとどめるだけじゃもったいない、と思ったメンバーを記事にしたんだけれど、彼女はその一人だった。

「私、LinQにいてもいいんだ」
えっ、そんなことまで考えていたのか(思い詰めていたのか)、と。

7月に行われた彼女の生誕公演(本当はこのブログはその直後に書き始めていたけれど、私のきわめて個人的な事情ですっかり遅くなってしまいました)は、私の中での福岡の女・岸田麻佑が全面に出ていた公演だったと思う。東京の人にとって、福岡(というより博多の方がいいのかな…)の人の祭りにかける思いはたぶんなかなか理解できないと思う。いや、下町の人なんかは理解できるのかもしれないけれど、博多という大きな街全体が祭り一色というのはなかなかないのではと。しかも、博多の歴史なんか東京より全然長い。その根ざしぶりも相まって、博多の祭りというのは独特の雰囲気だと思う。

彼女の生誕公演はちょうど山笠の終わった後だったんだけれど、山笠をそのままベストホールでやっちゃいました、という公演だった。だって、櫛田入りをやってしまうんだから。

ちなみにそのときにベストホールに「祝いめでた」が流れたんだけれど、私の後ろにいた人が普通に歌っていてびっくりした。博多手一本はそれなりにできるようになった私にとって(今年、どんたくの最後に福岡市役所前のふれあい広場でたまたまそれに参加できたときは福岡市民でよかったと思った。って市民じゃないけど)、祝いめでたはさすがにハードルが高いけれど(次までに覚えよう 笑)、博多の雰囲気がそのままベストホールに持ち込まれていてとてもよかった。

そしてそれこそが岸田麻佑なのかな、と思った。ナチュラルボーン博多女。

なにより彼女は博多の気と、風を送り込むメンバーだったと思う(私の中ではなっちゃんもその部分はあるけれど)。

だから、たぶん彼女はこれからもLinQを支え続けるんじゃないかなと思った。山笠って何年の歴史があるか知ってますか?諸説あるものの770年近くだそうです。

博多の街もそうだし、山笠もそうだし、そうやってバトンを受け継いで積み重ねてきた歴史なわけです。博多なんて日本最古の湊だし、奈良時代の鴻臚館とか(大濠公園にあるから行ってね)、ものすごく歴史の蓄積のある街なわけです。

だから、自分も受け継ごう。そう思ったのではと思う。受け継いでこその博多の街というか。

最後に。
彼女の最新の物販写真に、いわば仁王立ちのように腕組みしている写真がある。これがいかにも福岡の女というか、私の中での岸田麻佑って感じ、と物販で本人に話したら「でもウインクしているんですよね(笑)」。

冒頭に書いたアナウンスの甘い声といい、ウインクといい、パッと見の第一印象だけでなくそこも含めて岸田麻佑なんじゃないかなと思う。

あ。あと。メンバーにはいろんなサインがあるけれど、彼女のサインはツボだ。LinQという文字をサインに一体化させてかつ自分の名前も、そして特徴というかアイデンティティもきちんと取り込んでいて。

追記
そうそう。彼女の生誕では「Wake up」をやった。その曲調から、生誕ではまずやらない曲だと思っていた私は思いっきり不意を突かれた(笑)。

でも、そんな曲を入れるのもある意味彼女らしかったなと今にして思う。


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