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ネバー姫崎愛未ランド

by Love in Qushu

思えばLinQって不思議な組織だと思う。一つのグループの中にLadyとQtyという二つのユニットが存在している。いや、私はそんなにアイドルに詳しいわけではないので、実際はグループ内ユニットなんかよくありますよ、なのかもしれないけれど、大人になったときの、大人としての世界が表現できる場がある、というのはけっこう貴重なのかもしれない。

少女はいつかは大人になる。女子高生でいられるのも3年だし、女子大生でいられるのも4年だ。

何を持ってアイドル、なのかは人によって解釈が異なると思う。永遠の若さ、と捉える人もいるだろう。でもそれは、当然だけれど悲しいかな、徐々に徐々に減っていく。だけれどそれは徐々に減っていくものであって突然減るものではない。突然大人になるというわけでもない。

私は、Qtyだったメンバーがある日からLadyメンバーになりました、というのを実はまだ見たことがない。強いて言えばあやのんが近いけれど彼女は兼任になったので(前はホームページのプロフィールでLadyかQtyか所属がわかるようになっていたけれど今はない)、ある意味並行活動をしていた。

Ladyとして大人の魅力を表現できる場があるよ、というのは、メンバーにとっては表現の幅を広げられる点ではありがたいだろうし、長く活動できるというメリットもあると思う。見守るファンだって、大人になっていく過程をはっきりと見られる点でとてもいいのではと思う。回りくどい言い方をしたけれど要は「若さ(キャピキャピさとでも言おうか)だけじゃないよ」、というのがLinQの特徴だったと思う。どんなときのあなたでもあなたはあなた。人として輝ける場を我々はご用意してます、みたいな。何視点だか。

ただ。自分は何を表現したいか。自分は何を表現しているのが向いているか。そう考えたときに、大人の自分というのは「私」としては違う。そんな考えも当然あると思う。たびたび引き合いに出しちゃうけれど伊藤ちゃんもそうだと思う。彼女は自分の中で確固たるアイドル像があり、たぶんそれはLady・伊藤麻希というのはないと思う。たぶんだけれど。

姫崎愛未が姫崎愛未としてもう活動できなくなる。
たぶんだけれど、彼女が引退を決めたのはそういうことではないかと思う。

私は前の仕事では東京にやってきたメンバーとのインタビューが多かったけれど、気づけば彼女がいたのは最初のナツコイのときだけだった。だから実はそれほど彼女とは話をしていない。そんな中で個人的な印象は、自分のしたいこと、そして趣味を思いっきり活かした活動をしている、ということだった。コスプレ写真の販売もそうだ。amihimeもそうだしVENUS PROJECTも暗闇三太もそうだ。

これはファンの方から聞いたけれどLinQでの最初の頃の彼女は引きこもりに近いというか、人と話すのも苦手だったらしい。LinQに入ってとても大きく変わったメンバーの一人なのではないかと思う。いわばサナギがチョウになる様子が彼女そのものだったのかもしれない。

あと。これはいつのことか忘れたけれど、ゆうみんやさくらちゃんが妖怪などでベストホールにいないことが多かったときに、でもあーみんだけはそこにいて、センターとして定期公演を行っていて。それは一種の安心感というか、ああ、LinQには姫崎愛未がいるんだなという、そんな安心感をもたらしてくれるメンバーになっていた気がする。

そんな彼女も、今日でいなくなってしまう。

私はこれまで音楽に限らずスポーツも含めいろんなファンを見てきたけれど、あーみんのファンというのは心理学的にも研究の価値があるのではと思うくらい(笑)、独特の方たちばかりだった。確か秋葉原でのナツコイのリリイベだったと思うけれど、誰がどの列かわからず、結果的にあーみんの列の先頭に並んでいてしまっていて(当時ファン歴が浅いので鍵開けなどというものなど知るよしもなかった)、あまりの「お前じゃないだろ」感にいたたまれずに列を離れたことがあった(少し脚色しているけれど間違ってはいない 笑)。

彼らは、彼女が手に入れた何よりの宝だったと思う。アイドルの世界に飛び込むというのは人見知りの彼女にとっては勇気のいることだったのかもしれないけれど、それを何より肯定してくれた存在、だったと思う。彼女の生誕公演は去年配信で、そして今年は生で見たけれど、あれこそが、真骨頂だったと思う。ファンとの阿吽の呼吸。見事なまでの心の中のキャッチボール。

ファンの方を見ていれば彼女がわかる。だから、今年の生誕公演を見てなんとなく思った。LinQの姫崎愛未としての生誕公演はこれが最後なのかな、と。そしてそれは予想通りになった。

その生誕公演で、果奈ちゃんがこんなことを言った。
「姫崎さんのファンの方見ていると、この人たち姫崎さんがいなかったら死んじゃうんじゃないかって」。
場内は大爆笑だったけれど、これほど姫崎愛未という人を語る言葉はないと思う。

人にとってそれだけの存在になれる人って、そうはいない。
これは姫崎愛未が6年間で残した何よりの宝物なのだと思う。

だから、彼女はそっと、マイクを置くんだと思う。


Love in Qushu
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