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オレたちのベストホール

by Love in Qushu

3年前の1月に東京のリリイベでLinQに興味を持って、8月に初めてベストホールに足を運んで、それから頻繁にベストホールに足を運ぶようになった。結局今日までの3年間、24回福岡に足を運んでいた。少ない方だけれど。

それは「ベストホールで見るLinQが一番」というのもあったけれど、何よりメンバーの地元である福岡の街の空気を吸いながらライブを見る、いや、時を過ごすということが何よりかけがえのないものだと気づいたからだと思う。自分の思い入れのあるメンバーがここで時間を過ごしている。その場所で同じ空気を吸う、というのはなんとも気持ちのいいことなんだろう!こうして私は福岡好きになっていき、のめり込み、そして今では都市は違うけれど東京ではない街の空気を吸って生きている。地方での情報発信という元々持っていた夢を思い起こされてくれたのは福岡の街との出会いがきっかけだった。

サッカーにはホームという概念がある。いや、野球にもあるけれど、平日でも試合のある野球よりサッカーは基本土日なので、よりホームの概念が強いと個人的には思うのでサッカーに限定する。

思えば初めてベストホールに来たときに書いたブログも「ホーム」の概念について触れている。ベストホールも基本は週末だけの開催。サッカーならサポーターは平日の鬱憤を週末の試合ではらす。そして一度はバラバラになったサポーターが再び集まって再会を喜ぶ。

ベストホールだって同じで、いろんなことのあった平日を、この週末のために乗り越え、そしてみんな集まる。ベストホールの前の定期喫煙所は、土曜の朝ともなればいろんな形で平日を乗り越えたファンがあちこちから駆けつけて集まって再会を喜ぶ。「おー、久しぶり。最近大変やったみたいね」「あれ?なんでおると?」。ぶっちゃけ、来ることを隠して突然現れて皆さんを驚かせるのが楽しみになっていった(もっとも、いるのが当たり前になるとそれがなくなる 笑)。

サッカーだとスタジアムにはビールとメシがあり、試合前に飲んだり食べながらみんなで先週の試合について、トレーニング中に流れた負傷や戦術変更のニュースについて、そして今日の試合について和気藹々と話す。

ベストホールだと定期喫煙所のそばにはローソンもフルフルもあり、公演前に飲んだり食べながらみんなで先週の公演について、平日に流れたメンバーのツイートやイベントのニュースについて、そして今日の公演について和気藹々と話す。

そう。オレたちのホームだった。

一方選手&メンバーにとっては。
サッカーだと、土日の試合は平日積んできたトレーニングの成果を出す場所だし、自分の最大限のパフォーマンスを出して勝負かけて戦って、いつも応援してくれるサポーターに喜びをもたらしたい場所。

LinQだと、土日の公演は平日積んできたレッスンの成果を出す場所だし、自分の最大限のパフォーマンスを出して自分をかけて歌って踊って、いつも応援してくれるファンに喜びをもたらしたい場所。

そう、彼ら・彼女らにとってもホーム、だ。

ただ。居場所としてだけのホーム、ではない。
ホームは何を意味するか。選手やメンバーにとっては家から近い、つまり自宅(これが重要)から通える、行き方も当然わかっている、ピッチやステージの幅もわかる、ロッカーの使い方もわかる、スピーカーの位置もわかる…

勝手がわかることで、つまりストレスが全然ない、ということだ。これがLinQでいえば出演するイベントがあれば、まず行き方を調べ時間に遅れないようにして、そしてステージの幅を把握してメンバーの配置を考え、スピーカーの位置を確認し…

何が言いたいかというと、ベストホールというのはより自分をのびのびと表現できる場だということだ。自分がより輝ける場だということだ。だから、私は何よりベストホールでのLinQを見るようになったと思う。

去年1月末に出前公演があったとき、「いやいやいや、ベストホールはベストホールや」と思ったのと、ちょうど仕事でものすごくキツイことがあり、その憂さ晴らしで急遽ベストホールに行ったことがある(逃げ込んだとも言えるかな)。そのときに書いたのがこれだけれど

まさにそんなところだと思う。

メンバーにとっても輝ける場だったけれど、ファンのとっても輝ける場だったと思う。ここにいるファンの人たちは基本、イキイキとしていた。イキイキとしすぎちゃう人もいるくらいね。日常を忘れられる場であり、自分にとって大切な人が輝いている様子を見られる場。そして話せる場。たぶんメンバーも、ファンのイキイキとしている様子を見るのは何より楽しかったと思う。私たちはこれだけの人に喜び、そして笑顔をもたらしているんだ、と。

だが。それだけじゃない。
先月7月にベストホールを訪れて、これが最後のベストホールだという思いで行ったけれど、そこで改めて思ったのは…

SHiNTAさんにとっては自分の手がけた曲を発表でき、しかもそれを目の前で見て修正をしてよりいい曲にするという、自分の思いや夢を叶える場所。照明のMさんだって音響のFさんだって、自分の技術でメンバーをより輝かせ、メンバーをより喜ばせる場所。

思えば私も、他のアーティストではできなかった、昔からあたためていてやりたかった企画(Memberがそれ。でもあれはLinQ限定企画ではなかったんです)が実現でき、取材活動を通してその人に振り返る機会を作ることで気づきを与え、その人の成長につながるようにする…という、「これが私の仕事のスタイル」みたいなのをLinQで実現できた。「こういうことをやりたい」と言えば叶えてくれる場だったし、なによりやった後にやりがいを感じさせてくれる(これがない場合が多い)場だった。

メンバーだって「こんなライブがやりたい」「こんな演出がしたい」というアイデアが叶う場所だった。もう何回も書いたけれど今年の原さんの生誕公演での「Supreme」の四つ打ちカモンなんかまさにそうだったし、きしまゆちゃんの生誕の櫛田入りもそうだ。

だからベストホールに来るのが楽しくなったんだと思う。ガラガラの日のベストホールと完売でごった返すベストホールはまた違う光景だったし、同じ日の公演でも不思議なことに一部と二部では開場を待つロビーの雰囲気は不思議なくらいに入れ替わっていた。1000回以上行われた公演で、全く同じという公演はなかった。

そんなベストホールも、もう、今までのそれとは違うだろう。9月以降は全国ツアーの中での福岡公演として組み込まれていて、定期公演という形は当面はない。というより、あのメンバー数ではベストホールでの定期公演というのはもう叶わないことだと覚悟した方がいいのだろう。

エレベータも、エスカレーターも、あの荷物置き場も、扉も、実は積み重ねられるようになっているイスも、ファンの方による、公演数を示すLinQ METERも、受付のAさんの人柄も、Aさんの低音のよく通るアナウンスも、開場前から流れるBGMも、公演中のコールも「○ー○ちゃーん!」という声も、

全てがベストホール、だった。

7月にベストホールに行ったときの最後の公演で。私はベストホールの床に寝転んだり(一度全身で感じてみたかった)、終演後に締める扉を全部出したり(あのコツのいる引きだし方もすっかり手慣れたものになった。うれしかった)、ベストホールの一部分になれたようでうれしかった。

その後の物販は運良く鍵締めになったんだけれど、その結果、だんだんファンの人がステージ上にあまりいない状態でもステージに立っていることができたので、ステージの真ん中の一番前から、少し足を曲げて、ベストホールの客席を眺めてみた。そう、推しの視点で見てみた。

正直に言うと、あ、意外と小さいなと思った。
自然と、もっと大きな光景を見させてあげたいと思った。
そのための再出発なのかもしれない。

定期公演を両部見て(私は基本的に福岡にいて定期公演があるときは遠出したりLinQ以外の別のイベントなどに行くことなく、必ず定期公演を見ていた。例外はaikoさんのライブとアビスパの試合、そして体調がよくなかったときの3公演だけだった)、ファンの方と飲んで、ホテルに戻る道で、定期喫煙所そばのローソンでビールを買って、深夜の天神中央公園の真ん中で一人座りながらベストホール(正しくはベスト電器本店)を眺めるのは気づけばルーティーンになっていた。たぶん、自分の将来について悩み始めた時期からそうなっていったと思う。なにせ私は2017年のカウントダウンを一人ここで迎えている(笑)。

そうやって、転職を決めたときも、そして実際に転職先を決めたときも、そして実際に新しい日々が始まった後も、ベストホールを眺めながら自分に問いかけていた。答えは全てベストホールが出してくれたのかもしれない。

あの頃のベストホールはもうなくなってしまうのかもしれない。
ただ、あの頃過ごしたベストホールの時間は、絶対になくならない。

次に訪れる夜中の天神中央公園から見たベストホールは、私に何を教えてくれるんだろうか。

そうそう。私は飛行機が大の苦手なのだが、さすがに最近は飛行機で福岡に来ている。窓の外なんかとても見られないのでいつも通路側にしていたが、7月に訪れたときは窓側にしていた。一度、ベストホールを上空から眺めてみたかったからだ。

運良くこの日は北に向けて離陸したので、その様子を収めることができた。

建物の建ち並ぶ大都市・福岡の中にまぎれるベストホール。そう、ベストホールは福岡の街の一部である。そしてそこに生きる一部の人たちの生活の一部なのだ。いや、人生の一部、なのだ。

最後のベストホール公演だと思っていた私が寝転んだり、しみじみとステージにたたずんでいる姿を見たからか、「これが最後だと思っちゃダメですよ」と声をかけて下さった方がいた。これは私が何より手に入れた宝物だと思った。


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